無趣味な人

生まれてこの方、無趣味。ハマったものこれといって特になし。

「日本は今後スタグフレーションに陥ります」ってのを読んだがなんかおかしい

【悲報】日本は今後スタグフレーションに陥ります

こんな記事をみた。 でも、なんかおかしい。

【当初の政府日銀見通し】
インフレ → 物価上昇 → 円安株高 → 企業業績アップ → 賃金上昇 → 景気回復
 
【現状】
インフレ → コストプッシュ型の物価上昇 → 円安株安 → 企業業績やや悪化 → 賃金実質マイナス → 景気悪化

って書いてある。 日銀見通しはうまく行った場合。 で、現状はこうだと書いている。 どちらのケースもインフレ後に物価上昇。 物価上昇した時点では賃金上昇していないので、実質賃金は下落である。 うまく行った場合はその後に賃金上昇。

さらに以下のように書いてある。

「物価上昇に対して実質賃金がマイナスなので、これはインフレだけして給与が下がってるので、紛うこと無きスタグフレーションです」
「現状、インフレに対する賃金の上昇が確認されていないので定義上、今すでにこの国はスタグフレーションに突入したと言えます」

これでは、どちらのケースでも金融緩和した時点でスタグフレーションになってしまう。 物価上昇から賃金上昇までに時間がかかるからだ。 例え日銀見通しの通りでも賃金上昇まではスタグフレーションということになってしまう。 それでは金融政策なんか出来なくなってしまう。

私の知っている限り、麻生、甘利の両大臣も賃金が上昇するのは後になるという認識をしていた。 浜田教授もそう言っていた。 実際日本の給与体系を考えると、孫請けあたりまで賃金上昇するのは最短でも3年かかるのだろう。

それより、景気を判断する指標は賃金よりも失業率のほうが大切だ。 現在給料を貰ってぎりぎりで生活をしている人にとっては物価上昇は大変なことだろう。 でも職につけずに給料をもらえていない人の方がもっと大変だ。

テレビで浜田教授がいっていたことだが、 「全員の賃金を少しずつ下げて、失業率を改善する」 ことがインフレ化で出来ると。 本来ならば共産主義や社会主義的考え方をする人が好みそうな政策だが、一生懸命批判しているのがよく分からない。

幸いなことに失業率は改善しているようだ。

22年ぶりの高い水準を保った

出典:失業率、8月は3.5% 3カ月ぶり低水準

とのことである。

上で書いたとおり平均賃金は遅効性の指標である。 まだ賃金上昇云々をいうのは早過ぎる。

「物価上昇に対して実質賃金がマイナスなので、これはインフレだけして給与が下がってるので、紛うこと無きスタグフレーションです」 ってのは、さすがに言いすぎだと思う。

20年近く経済が停滞していたのに、金融緩和ですぐに景気回復はしないだろう。 時間がかかる。 最短でも、3年だろう。 が、その前に消費税を増税してしまったのだけは賛成出来ない。 待って欲しかった。 浜田教授も増税には反対していたし。

ちなみに浜田教授、浜田教授書いているが、別に浜田教授信者ではない。