第1回 たまには久保田カヨ子について真剣に考えてみよう会議
脳科学おばあちゃんこと久保田カヨ子さんをテレビで見てからすごい人だなと思った。
このようにモリモリの設定であるため、自分の中で神格化されていった。 子供ができたら久保田式で育てようかななんて考えていた。
その幻想がある日ガラガラと崩れた。 これを読んでからである。
“アレルギー”というものに対して、あまりにも過敏になっていないかということです。 「うちの子はアレルギーを持っているので、あれもこれも食べることができないのです」 などと、なんら恥じ入ることなく話す親がいます。
アレルギーについての完全な誤解。 アレルギーを恥じることという認識が言い訳しがたくNG。 花粉症も花粉アレルギーだが恥じ入るべきなのだろうか?
すでに、原文の方は削除されていた。
最近の人なら誰でも知っているような常識を知らない。 この人、この程度の浅い知識でものを言っていたのか…
そんな目で見てみると、色々疑問が出てきた。 疑問の目で見てみると色々おかしい。 完璧な人などないから、少しの間違いならいいのだが、そんなレベルではない。
脳「科学」おばあちゃんとはとても言えない。 ただの、近所のおばあちゃんなら許せる意見ばかりなのだが。
- マスコミが取り上げすぎ
- 夫が京大教授で権威がついてしまっていること
- 久保田メソードとして商売をしていること
などから文句を言わせていただく。
以下におかしいところを列挙する。 全てではない。
6ヶ月で断乳
色々なものを読んだが、断乳をすることにより知能が高くなるなどという調査結果はみつからなかった。 むしろ、出来るだけ長い期間上げたほうが色々いいことがわかっている。
カヨ子さんを擁護する意見としては、前までは母子手帳に断乳や卒乳のことが書かれていたようである。 その頃の知識のままなのだろう。 現在では断乳・卒乳は無理にする必要はないとして削除されている。 ユニセフ・WHOでも2年間以上母乳を続けるように薦めている。 2年はさすがに長すぎだと思うが、別に急いで断乳・卒乳する必要はない。
調査結果の例は以下のとおり。
授乳期間が長くなるほどいずれの年齢においても児の知能アウトカムが向上する傾向が示唆されたが,母乳に限定した場合でより顕著であったという
母乳で育てられた児では,調製粉乳で育てられた児に比べて5歳を迎えた時点で問題行動が見られる割合が低い
1才過ぎて、おっぱいを吸っていても問題ない
脳科学おばあちゃんなのに最近の調査結果を全く受け入れていない。 たった二人の子育てをした、ちょっとキャラクターが面白いおばあちゃんだとしたら許せるけど。 旦那が京大教授で科学的に認められているような報道をされているからたちが悪い。
離乳食は作らなくて良い。大人の食事を噛んであげればいい。
これがまずいということを知っている人のほうが多いだろう。 子供にものを噛んで含めては虫歯が伝染る。 最近では常識となっているだろう。 「離乳食は作るな。噛んで含めればよい」には賛同できない。
カヨ子さんを擁護する意見としては、カヨ子さんが子育てをしていた頃はこの辺のことはわかっていなかったのだろう。 マスコミが脳科学おばあちゃんとして取り上げるならばこの辺は書籍として出版する前に編集者がチェックして注意書きぐらいすべきである。
TVはどんどん見せる
色々読んでみたが、久保田カヨ子さん以外にテレビは見せたほうがいいと言っている人はいない。
赤ちゃん学を知っていますか?―ここまできた新常識 (新潮文庫)という本に詳しく書いてあることだが、赤ちゃんにとってはテレビはピカピカした刺激的な光に過ぎず理解しているわけではない。 また、調査結果で赤ちゃんの早い段階からテレビ、ビデオを長時間視聴していた幼児は「表情が乏しい」「コミュニケーションがちぐはぐ」「体の動きがぎこちない」などの傾向があると発表されている。 調査結果では子供にテレビをみせるのは芳しい結果ではないようだ。
時折であればテレビを利用するのもいい、という意見は見かける。 「どんどん見せる」のは調査結果を考えると控えたほうがいいと思う。
カヨ子さんを擁護する意見としては、カヨ子さんが子育てをしていた頃のテレビはまだ刺激が少なかったのかもしれない。
アレルギーは慣れさせて治せ
以下のような事を言っていたらしいです。
「アレルギー症状が軽くてすむ加工食品や食べ物もあるはずです。 そういうものを見つけて、その子が大豆を口にしても大丈夫なようにしてあげることが、本当の意味で本人のためなのです。」
絶対に駄目。 命の危険すらある。 医者でなくても知っている常識を知らない。 好意的に捉えて、減感作療法の事を言っているのかもしれない。 しかし、少量でも深刻な症状が出る可能性があるのがアレルギーである。 医師の指導下でやらないと命の危険がある。
カヨ子さんを擁護する意見としては、カヨ子さんが若い頃にはこのような常識はなかったのだろう。 マスコミが脳科学おばあちゃんとして取り上げるならばこの辺は書籍として出版する際に編集者がチェックして注意書きぐらいすべきである。 古い本ならば読者自信で注意して読むが、最近出版している本にこんなことが書いてあるというのは残念である。
夫の久保田競氏の「赤ちゃんの脳を育む本」というトンデモ本について
久保田競氏の「新版 赤ちゃんの脳を育む本 ― 0~2才の赤ちゃん期にできること! (.)」という本を購入して出産を待っていた。 だが、全く実情に合っていない。
序章は脳について。 これについては専門家なのだろう。 反論できない。
次の章からがこの本の本題なのだが、最初から無理。
まずは、最初の章は1〜3ヶ月の赤ちゃんの脳を育てる方法について書かれている。 最初のページが、両手に棒を持たせるってあるが、やってみればわかるが無理。 次のページでは、うつ伏せにして背中をさすれと。さすれば、首を持ち上げるらしい。 1〜3ヶ月の赤ちゃんでこれが出来る子がいたらお目にかかりたい。 首が座っていないのに出来るわけがない。 さらに次のページで、オムツ替えの時に足を伸ばすように書いてある。 けどこれは股関節脱臼になるからやっちゃ駄目。本を買った人は注意! もう、最初の3ページから連続しておかしい。 それで、次のページは久保田メソードの広告。 何じゃこの本。
次の章は3ヶ月半〜5ヵ月半。副題が「おすわり期」 3ヶ月半でおすわり期? 早すぎ。 5ヵ月半でも無理。
さらに次の章、5ヶ月半〜が「つかまり立ち期」。これも無理。 もう、最初っからずっとおかしい。
しかも、ところどころに久保田メソードの広告が入っている。 巻末にはガッツリ久保田メソードの広告が入る。
本当に競氏の著者なのだろうか? 京大教授なのだから私より遥かに頭がいいはずだし勉强もしているはずである。 この辺の誤りについて知らないわけがない。 推測であるが、名義を貸しているだけなのではないだろうか。 脳科学については専門家だが子育てに関してはカヨ子さんに任せっきりで全然知らないとか。 競氏はチェックはしたが、この辺の誤りには気付かなかったのか。 それともチェック自体していないのか。 などなど、色々考えてしまう。
で、さらにこの本のことからの推測だが。 一つの頭に浮かんだのはは「カヨ子おばあちゃんの言動や久保田メソードについて競氏はチェックはしていないのじゃないか」ということである。 一つの書籍でもこれだけ突っ込みどころがある。 久保田メソードがどれだけ、科学的なものなのか疑問符がついてしまう。
【参考】