定本 育児の百科〈上〉5カ月まで (岩波文庫) 松田 道雄 (2007/12/14)
育児本の中で一番有名な本らしいので読んでみた。 読み物として面白く、ぐいぐい読み進むことが出来た。 活字に抵抗がない人は、他の写真が多い育児本よりもこの本がオススメである。 ただし、かなり前に書いた本らしいので現在の常識とは違ったことが書いてあるようだ。 普通に読んでいて、あれ?これ本当かな?と思った箇所を調べてみた。 あら探しをしながら読んだわけではないので、全部を指摘は出来ない。
1.果汁を飲ませたほうがいい?
この本の中では果汁を飲ませたほうがいいとと書いてあります。 しかし、助産師さんに聞いてみたら飲ませないほうがいいと言っていました。 他の、産婦人科医の書いた書籍を読んでみても飲ませないほうがいいとのこと。 現在では生後6ヶ月までは果汁を飲ませないほうが良いというのが常識となっているようだ。
2.サプリを飲ませないとダメ?
サプリを飲ませたほうがいいと書いてある。 調べてみるとアメリカではサプリを上げるらしい。 アメリカではビタミンA、ビタミンC、ビタミンD入りのサプリを生まれてすぐに与えるようだ。 日本人でもビタミンD不足によるくる病が増えているらしいので与えてもいいのかもしれない。
ただ、気になる調査結果があった。
生後6カ月までにマルチビタミン剤をのみ始めていると、3歳時点でぜん息になる確率が27%高い
出典:赤ちゃんにビタミン剤をのませると、黒人の子供はぜん息になりやすい??米国の大規模調査が示唆:日経ヘルスオンライン
この調査では黒人の子供だけだったらしい。 日本人にもその傾向はあるのだろうか? アメリカでの調査なのでアジア系もいるはず。 「黒人の子供だけ」と言っているので、大丈夫なのだろう。
じゃあ、買ってみようと、探したが日本では新生児用のサプリなんか売っていない。 個人輸入できるサイトも見つからなかった。 みんなサプリなしで元気に育っているのだから、別に必要もないのだろうと購入は諦めた。 出版されたころはサプリを入手することが出来たのだろうか?
まとめ
その他に気になったのは、出版された頃と住宅事情の違いなどによる読めばだれでも分かるようなところだ。
赤ちゃんにはそれぞれ個性があるから杓子定規にはいかないこと。 赤ちゃんが元気なら大抵のことは大丈夫なこと。 この辺が繰り返し述べられている。
現在の傾向とは異なる記述もあるが、それでも名著だと思う。 医学的なことよりも大切なことが沢山書いてある。 それに何より読んでいて面白い。スラスラ読める。